第四章 サブサーフェーススキャタリング(subsurface scattering)
「仮定のもとで導き出されたこのユニークな技法の旨みに触れて欲しい」
第一部のハイライトがこの章。
サブサーフェーススキャタリングとは、物体表面から物体内部に入り込んだ光が、 物体内部で散乱を繰り返したのちに、 再び物体表面から出ていくという現象を指す。
この章では、2000年以降、映画やゲームの映像に積極的に導入されるようになった サブサーフェーススキャタリングの手法を 一同に集めて紹介。
中でもサブサーフェーススキャタリングの実用化の鍵となった、ダイポール(dipole)モデル、 これをマルチレイヤーにまで 拡張したマルチポール(multi-pole)モデルに関しては、 その発想の原点から、技法が導き出される過程、映画での実用化までを 詳細に解説。
数学がわかる人もわからない人も、およそ「数学的には正しくない」仮定のもとで導き出された このユニークな技法の旨みに 触れて欲しい。
画像:ダイポールモデル(dipole model)
2001年にHenrik Wenn Jensenに発表され、サブサーフェーススキャンタリングの実用化を大幅に促進した手法。 物体内部での複雑な光の散乱を、光が入射した点の真上と真下に配置した仮想的な点光源(dipole)によって近似する。 画像は、この手法を用いてミルクと人間の肌をレンダリングした結果を示したもの。
画像:マルチポールモデル
ダイポールモデルをマルチレイヤーにまで拡張した手法で一組の点光源(dipole)ではなく 複数組の点光源(multi-pole)を 用いて近似をおこなう。特に人間の肌のレンダリング方法として、 その将来性が大きく期待されている。
画像は、植物の葉と人間の肌のレンダリング結果を示してたもの。
